原発性腋窩多汗症について

原発性腋窩多汗症(げんぱつせいえきかたかんしょう)とは脇汗が過剰に出る病気です。病気や障害が起きていないにもかかわらず、シャツに汗が染み出るなど日常生活に影響が出るほどの大量の脇汗が出る特徴があります。
原発性腋窩多汗症の原因
全身に症状が起きている場合、糖尿病や甲状腺機能亢進症などが影響していることもよくあり、これらの病気の治療が欠かせません。
一方、症状が局所的に発生している場合、不安や緊張などにより交感神経が興奮し、自律神経が乱れることで症状が起こるといわれていますが、現在のところ原因ははっきりとしていません。原因不明の局所的な多汗症は日本人の約5%の方が発症しているといわれています。
よくある病気ではないためあまり知られておらず、周囲に相談しにくいことから悩まれている方も少なくありません。
原発性腋窩多汗症の診断基準
局所多汗症の一種である原発性腋窩多汗症は、日本皮膚科学会が制定した「原発性局所多汗症診療ガイドライン2015年改訂版」に沿って診断されます。
明確な原因がないにもかかわらず、6ヶ月以上にわたり大量の脇汗が続いており、以下の2つ以上の項目に該当する
- 最初に症状がでるのが25歳以下であること
- 対称性に発汗がみられること
- 睡眠中は発汗がとまっていること
- 1週間に1回以上多汗のエピソードがあること
- 家族歴がみられること
- それらによって日常生活に支障をきたすこと
原発性腋窩多汗症の治療方法
治療は以下のような方法で行います。
外用薬
現在のところ、マルホ株式会社が開発した「ラピフォートワイプ®️」、科研製薬が開発したエクロック®️ゲルの2剤に保険が適用されています。
脱毛
脱毛により汗が脇に溜まりにくくなり、臭いが抑えられます。
原発性腋窩多汗症(脇汗)の
よくある質問
脇汗が多いのはワキガですか?多汗症とワキガの違いを教えてください。
ワキガは脇の下から特有の悪臭を放つ症状です。一方、多汗症は過剰に汗を掻く症状です。ワキガと多汗症は混同されてしまいますが、原因や症状が異なり、多汗症で出る汗には臭いを伴いません。なお、多汗症でも汗を長時間拭き取らずに放置していると、臭いを伴うことがあります。また、多汗症とワキガを併発することもあり、その場合はワキガの特有の臭いが多汗症の汗で強くなることがあります。