水虫(白癬)について

水虫(白癬)は真菌の一種である白癬菌の感染により起こる病気です。感染部位に応じて種類が分かれ、手白癬、爪白癬、体部白癬、股部白癬、足白癬などがあります。
特に足白癬が多く、日本人の約20%が発症しているといわれており、水虫として一般的に知られています。
白癬菌は、プールや公衆浴場、スポーツ施設、自宅、介護施設、老人ホームなどで付着します。また、小さな傷口から感染することもあります。白癬菌は高温多湿な環境を好むため、白癬菌が付着した状態で厚い靴下や革靴を履くと感染する可能性が高いです。
足白癬を放置していると手や爪にまで感染が拡大する恐れがあるため、早期治療が重要です。
水虫の症状
足白癬
足白癬は、趾間型、角質増殖型、小水疱型の3つに分けられ、それぞれ症状が異なります。なお、複数症状が併発することもあります。
趾間型
足の指の間がふやける、皮がむける、赤くただれる、亀裂が起こるなどの症状が起こります。
角質増殖型
足底全体が厚く硬くなり、ひび割れや皮むけが起こります。なお、かゆみを伴うことはほとんどありません。
小水疱型
足底や縁に赤みを伴う水ぶくれや膿疱が発生します。
手白癬
手白癬では角化や皮むけ、水ぶくれ、赤みなどの症状が現れます。
爪白癬
爪白癬では、爪の肥厚や変色(白く濁る)、ボロボロになるなどの症状が現れます。
特に親指の爪に現れることが多く、全ての爪に症状が起こることはほとんどありません。
股部白癬・体部白癬
円形の赤みや水ぶくれ、皮むけ、かゆみなどの症状が起こります。普段から運動習慣がある方、ペットと暮らしている方、爪・足白癬を発症している方によく認められます。
水虫の検査
水虫の検査では、まず水ぶくれや剥けた皮、爪の一部を採取し、顕微鏡を用いて白癬菌の有無を観察します。検査時間は5分ほどで、結果もすぐに出ます。
なお、市販の治療薬を使うと検査に支障が出るため、2週間以上使用しない状態でご受診ください。
水虫の治療
塗り薬
抗真菌薬
激しくただれている場合、短期間のみステロイド剤とともに抗真菌薬を使用することがあります。
飲み薬
抗真菌薬
抗真菌薬の内服薬には血球減少や肝障害などの副作用が起こる可能性があります。そのため、服用期間中は定期的に血液検査を行い、副作用の有無を調べます。また、抗うつ薬や抗精神病薬を服用されている方には使用できないこともあります。
水虫のよくある質問
白癬菌に触れただけで水虫に感染することはありますか?
白癬菌に触れただけでは水虫にすぐ感染することはありません。白癬菌が皮膚に付着して感染するまでには最低でも24時間かかります。白癬菌が角質層に侵入した状態で、高温多湿の環境(気温15℃以上、湿度70%以上)にいると白癬菌が増殖して水虫を引き起こします。従来は梅雨から夏にかけて発症が目立ちましたが、昨今はブーツの流行や住環境の変化などが影響し年中発症が認められるようになりました。
水虫は放置していると自然治癒しますか?
水虫は自然治癒することはありません。また、他人への感染リスクがあるため、かゆみや水疱などの症状が起きた場合はすぐに当院までご相談ください。
水虫の治療期間はどれくらいですか?
治療期間は症状に応じて変わりますが、基本的には外用薬を使用後2週間ほどで症状が軽減します。なお、目視で確認できる症状が治まったとしても角質内には白癬菌が潜んでいます。自己判断で治療を中断すると、高温多湿の環境で再発する可能性があります。そのため、症状が治まってから2~3ヶ月以上は治療を続けましょう。